クリスマス・イヴですが・・・

およそクリスマスとは関係ないネタで久々に登場です。

ちゅうきょうしんとうしん と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
中央教育審議会という,文科省におかれている審議会が,文部科学大臣の諮問を受けて出す答申が「中教審答申」です。
実はこの中教審答申でこれからの大学教育に関しても重要な指摘が何度となくされています。
恥ずかしながら大学人として中教審答申をまじめに読んだことがなかったのですが,この度,とある事情で目を通すことになりました。
傾聴に値する非常に重要なことが盛り込まれていることを知りました。
そんな中からひとつを紹介します。

新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜(答申)

本文16頁に次のようなことが書かれていました。

「教員にはそれぞれの授業において学生の知的・人間的能力を開花させる質の高い教育を展開する責任がある。学生がその潜在的能力を眠らせたまま大学を卒業してしまうことは、当該学生にとっても、社会にとっても大きな損失であり、学長や教学担当副学長等の全学的な教学マネジメントに当たる者は、潜在的能力を含めて学生の能力を開花させる学士課程教育を大学が組織的に提供する責任があることを改めて認識する必要がある。」

認識をあらたにした瞬間でした。
大学の使命は「学生の知的・人間的能力を開花させること」にあると!
確かにその通りです。これは大いに納得です。
そして,学生の潜在的能力を眠らせたまま大学を卒業させることは「社会にとっても大きな損失」であると!
大学が果たす役割は, 学生本人の問題だけにとどまらず,ひろく社会につながっているというころですね。
また,そうした社会への貢献という巨視的な視点を持たねばならないと。
深い言葉をいただきました。

『日本の大課題 子どもの貧困: 社会的養護の現場から考える 』(池上彰偏,ちくま新書)に「良き納税者」という言葉が何度も使われています。
上記の「社会的損失」という部分にふれて,この「良き納税者」という言葉が浮かびました。
それぞれ個人が精神的にも,経済的にも自立して「良き納税者」になることは,社会の未来が明るいものになるかどうかに直結してくると思います。大学に来たことによっておおいにステップアップし,そして自信に満ちたかたちで社会に出て,キャリアを積んでいってほしいと思っています。多くの卒業生が「良き納税者」になることで,この社会が誇らしい人々で支えられ続けることを期待します。

関わった学生の能力(いや,農力?)を開花させられる教員になれるよう,これからも日々精進していきたいと思います。

以上,村上でした。