TPP参加表明で思うこと

追いコンの翌日に無粋なタイトルですみません。
昨晩は楽しい一時をありがとうございました。
あらためて「村上研は大きくなったなぁ」と思いしみじみとしました。
皆さん一人一人にメッセージを読み上げることができて,私にとってもひとつの節目になりました。

さて,今朝の朝刊一面は「TPP参加表明」でした。
反対か賛成か国民に問いかけられても,ほとんどの人は判断できるほどの詳しい情報を持ち合わせてないので「答えられない」が正直なところではないかと思ってます。

まず重要なのは国民に正しい情報が伝わることです。扇動情報は本当にうんざりです。
農学部に所属するので農林水産省の悪口は正直言いたくありません。でも,食糧自給率や関税撤廃後の日本農業に関する試算などに関して,農水省から出てくる数値は疑わざるをえません。私にそのように思わせるのは以下の本を読んでからです。

TPPで日本は世界一の農業大国になる(浅川 芳裕,ベストセラーズ

本当にこの本はおすすめです。
「農業団体が反対と言ってるんだから反対なんだろうな」と漠然と思ってる人,「TPPの実際ってどうなの?」と素朴な疑問を持っている人は是非読んでほしい本です。

「日本の米は新潟コシヒカリ以外壊滅する」と新聞にも載ってますが,本当にそうでしょうか?
以前,お米が取れない年(1993年)があり,タイ米を緊急輸入することがありました。
でも,短粒種(ジャポニカ米)しか食べない日本人にとって長粒種(インディカ米)はすこぶる不評でした。
安い長粒種がスーパーに並んでいたとして皆さんはそれを買うでしょうか?安いという理由だけで買うでしょうか?
関税を撤廃すると入りにくかったものが入るようになるかもしれません。でも,最終的に選ぶのは誰かということを置き去りにしては正しい評価はできません。
また,TPPに関する報道が「黒船来航」と同じく外圧としか扱われていません。外から大変なものがやってくる,というメンタリティにいつまで日本人は怯えるのでしょうか?逆に日本の高い品質を外に向けて打って出ようとは思えないものでしょうか?

TPPの議論について「国益」が強調されます。誰にとっての利益なのか,今一度それをさまざまな観点から各人が考えることが重要だと思います。
そのためにも全ての関係者,報道機関が正しい情報を国民に提供してほしいと思ってます。