ツキノワグマ調査について

皆さんこんにちは、Geo研4年の市川です。

前回の春の投稿から早いもので、もう夏がやって来ましたね。
明日は大学院の入試があります、若干緊張してきました。
時間の流れの速さに驚きを隠せない今日この頃です。

今回は、私の卒論の調査内容について説明したいと思います。
ツキノワグマのカメラトラップ調査における最適な誘引餌の検討」が私の卒論テーマです。

まずは、ツキノワグマについてざっくりと簡単な説明を。

彼らは、本州・四国に生息する最大の哺乳類です。
そして植物食の強い雑食であり、秋は冬眠に備えてブナの実やどんぐりなど脂質を多く含んだものをたくさん食べます。
また、食性・行動圏などに個体差が多く、とても興味深い生き物です。

そんな彼らは大型狩猟獣でもあるのですが、個体数が少なく繁殖率も低いという特性を持つため、
適切な個体数管理が必要となってくるのです。
九州では絶滅し、四国の個体数も危うい状況です。

しかし一方で、近年人里への進出が増えています。
その結果、人身被害や農作物被害といった人間との軋轢が増してしまっているというのが現状です。

そういった動物の管理をする際に、まずは個体数を把握する必要があります。
管理に際して、個体数の存続にダメージを与えすぎない有害駆除数の上限を設置するためです。
この、個体数を把握する方法として、ツキノワグマの斑紋(月の輪)を利用したカメラトラップ調査があります。

カメラにツキノワグマを捕えるために、まずはトラップに誘き寄せる必要があるのですが、
私の対象とする南魚沼などの地域では、従来から使用しているハチミツの誘引効果はあまり見られませんでした。

そこで、数種類の誘引餌を設置し、“どの餌に、よりツキノワグマが誘引されるのか”を調べることが私の調査内容となります。

ようやく、ここに辿り着きました!

この実験を行うため、7月4日に津南で5種類の誘引餌で1セットのカメラトラップを10ヶ所に設置してきました。

設置場所の中には、クマ剥ぎの痕跡や食痕を付近で確認できる場所があり、
実際にツキノワグマが利用している地域なのだと思うと何だかワクワクというか感動というか、そのような気持ちになりました。

今週の12日に見回りに行ってきます。
ちゃんと撮れているといいなぁ。

話しは変わりますが、“ワイルドライフ”という野生動物のドキュメント番組がBSで月曜8時から放送されています。
野生動物を好きな方は楽しめる番組ではないでしょうか。
ちなみに前回はアフリカゾウが出ていました!
毎回、野生動物たちには驚かされます。
見た方がいましたら、是非お話しましょう。